2004年頃からスタートした「和装本講習会」は今回で170回目を迎えます。当日の様子をレポートします。
[caption id="attachment_3482" align="alignnone" width="400"] 和装本講習会の様子[/caption]
『はじめての和装本ー身近な道具で作れます』の著者で、1981年より拓本に携わり、和装本創作の研究をしてきた 府川 次男先生 を毎回講師としてお招きしています。
そもそも、和装本とは「中国より伝わり、日本で古くから行われている装丁の本のことです。洋書、洋装本、洋本に対しての呼び方で、和本、和書とも言います。(中略)日本風に工夫が重ねられ、手漉き紙の質の向上もあって、さまざまな和装本が生まれました。」(府川次男『はじめての和装本ー身近な道具で作れます』文化出版局、2003より引用)
今回は糸を使って綴じる「四つ目綴じ」です。
[caption id="attachment_3479" align="alignnone" width="400"] 四つ目綴じ。四つ穴をあけ、糸で綴じてある[/caption]
講習会は季節・年中行事や「今日は何の日」のお話から始まります。受講生の中にはこのお話を楽しみに参加している方もいらっしゃいます。
15枚の本文、見返し用の紙2枚、表紙用の紙2枚、題せん(製作した本のタイトルを書く紙)が渡され、工程を一つひとつ教わりながら、各自製作していきます。
10年以上受講している方も多く、受講生同士で教えあう姿が印象的です。
背表紙の角を補強する角裂(かどぎれ)の貼り方や、糸の扱い方や始末の仕方など、府川先生は細部にわたり丁寧に教えてくださるので、和装本製作について深く学ぶことができます。
教育者としてのバックグラウンドをもつ府川先生。時折冗談を交えながら、和やかな雰囲気でお話しくださいました。
今回は真っ白な紙で和装本を製作しました。このほかに紙や布など、手持ちのコレクションや思い出の品を綴じるのも素敵です。たとえば、思い入れのあるポストカード、年賀状、記念切手、旅の思い出、子どもが描いたイラスト、新聞の切り抜き、布の見本帖など。さまざまなものを1冊の本としてまとめることができます。ご興味のある方は、ぜひ挑戦してみてください。
【四つ目とじ 製作工程の一部】
[caption id="attachment_3480" align="alignnone" width="400"] 穴をあける目安の線を入れます[/caption]
[caption id="attachment_3485" align="alignnone" width="400"] 針で糸を通していきます[/caption]
[caption id="attachment_3481" align="alignnone" width="400"] 本文だけを綴じる「仮綴じ」の工程[/caption]
[caption id="attachment_3484" align="alignnone" width="400"] 穴をあける工程では多くの方が苦戦[/caption]
[caption id="attachment_3483" align="alignnone" width="400"] 表紙をつけ、さらに糸を通します[/caption]
[caption id="attachment_3487" align="alignnone" width="400"] 糸を結んで完成です[/caption]
[caption id="attachment_3519" align="alignnone" width="599"] 当社の商品「ふくふくノート」も四つ目綴じです[/caption]